
ちいかわ「人魚の秘密」みた!?

もちろん!観にいきました!

「どうだった?」

「……道徳だった」

えっ!!

「いや、ほんとに。ちいかわを観に行ったはずなのに、映画館を出たときには『罪って何?』『悪いのは誰?』『復讐って許されるの?』って考えてた」

「罪と罰!?(笑)」
■最初は普通に「かわいい映画」だと思ってた

『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』って、タイトルだけ見るともっとこう……
「ちいかわたちが人魚の島に行って、かわいい人魚と出会って、ちょっと怖い冒険をして……」
みたいな映画を想像しない?

「するする」
ところが実際に観てみると、話がどんどん重くなっていく。
■「悪いのは誰?」って聞かれたら困る

「じゃあさ、誰が一番悪いと思った?」

「セイレーンじゃない?」

「最初は私もそう思った」
だって、島民を襲っているんだから。
怖いし、明らかに敵として登場する。
でも、その理由を知っていくと、
「……あれ?」
ってなる。
セイレーンにも、セイレーンなりの理由がある。
大切な存在を奪われた。
だから怒った。
だから復讐した。

「じゃあ、セイレーンは悪くないの?」
「いや、それも違うんだよね……」

ここが、この映画の怖いところ。
「かわいそうだから許される」わけでもない。
でも、
「悪いことをしたから、最初から全部悪だった」
とも言い切れない。
■被害者だった人が、加害者になる

「これってさ、現実でもあるよね」

「あると思う」
最初は誰かに傷つけられた側だった。
でも、その怒りや憎しみを別の誰かにぶつけてしまう。
すると今度は、その人が誰かを傷つける側になる。
そして、その傷つけられた人がまた復讐する。
「……終わらないじゃん」
「そうなんだよ」
『人魚の島のひみつ』って、単純な
正義 vs 悪
の話じゃないんだと思う。
むしろ、
「どうして争いは終わらないのか」
を見せられているように感じた。
■「話し合えばよかった」で終わらせていいのか?

「でもさ、結局は話し合えばよかったんじゃない?」

「それって、全部終わったあとだから言えることでもあるんだよね」
これも、この映画を観ていて考えさせられたところ。
相手の事情を知らない。
怖い。
大切な人を傷つけられた。
怒っている。
そんな状態の人に、
「まあ、話し合いましょう」
って言っても、簡単にはいかない。
だからこそ、
もっと早い段階で相手の話を聞くこと。
自分の気持ちを溜め込まないこと。
そういう小さなコミュニケーションが大切なんじゃないかと思う。
実際、この作品について「言えないことを溜め込むことで起こるすれ違い」や「話し合うことの大切さ」を感じたという感想も出ている。
■そして、ちいかわがすごい

「でもさ、一番すごいのって、ちいかわじゃない?」

「どういうこと?」

「だって、ちいかわっていっぱい喋らないじゃん」
この映画って、ものすごく重いテーマを扱っているのに、ちいかわたちは言葉で全部説明してくれない。
表情。
汗。
動き。
仲間との距離。
そういうもので感情を伝えてくる。
特に終盤になると、
「ちいかわ、今どんな気持ちなんだろう」
って、こっちが考えながら観ることになる。
答えを教えてくれない。
だから観終わったあとも考えてしまう。
■「罪を犯したら悪人」だけじゃない
この映画を観ていて一番怖かったのは、
「悪い人がいて、それを倒せば終わり」
という話じゃなかったこと。
誰かを傷つけた人にも、そこに至るまでの事情がある。
でも、事情があるからといって、やったことが消えるわけでもない。
「かわいそう」
と
「許される」
は別なんだよね。

「うわ……難しい」

「だから道徳なんだよ(笑)」
■子どもと観たら絶対に話し合いたい映画
個人的には、この映画って子どもと一緒に観たあと、
「誰が悪かったと思う?」
って聞いてみるのが面白いと思う。
「セイレーン!」
「島民!」
「いや、最初にこうなった原因を作った人!」
「でも、それならセイレーンは悪くないの?」
たぶん、人によって答えが全然違う。
実際、映画を観た親子の感想でも、子どもと「どうすればよかったのか」を話し合ったという声がある。
そして、その「答えが一つじゃない」というところが、この作品のすごいところだと思う。
■結局、この映画は何を伝えたかったのか

「で、結局この映画って何の話だったんだろう?」

「私は『命と罪』の話だと思った」
作品評でも「命」と「罪」が大きなテーマとして挙げられている。
でも私は、それだけじゃなくて、
「相手の立場を知らないまま、正義を決めつける怖さ」
の話でもあると思う。
自分から見たら正しい。
相手から見たら悪。
でも相手にも、その人なりの理由がある。
だからといって、何をしても許されるわけじゃない。
その矛盾を、ちいかわという「かわいい世界」で見せてくる。
……怖い。
■映画を観終わった私たち
「ねえ」
「ん?」
「結局さ……」
「うん」
「ちいかわ観に来たんだよね?」
「そうだよ」
「なのに帰り道で『罪と罰について』考えてるんだけど」
「私も」
「これもう道徳の授業じゃん」
「でも先生、ちいかわなら毎週受けたい」
「それは受けたい(笑)」
まとめ
『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』は、かわいいキャラクターたちが活躍する冒険映画でありながら、
「誰が悪いのか」
「罪とは何なのか」
「復讐は正義になるのか」
「被害者と加害者は、いつ入れ替わるのか」
という、かなり重たい問いを投げかけてくる作品だった。
そして何より、
答えを映画側が全部教えてくれない。
だから観終わったあとに、
「私はこう思った」
「いや、私はこっちだと思う」
って誰かと話したくなる。
……つまり、
ちいかわ映画、めちゃくちゃ道徳の授業でした。
しかも先生が一番かわいい。
※この記事は『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』の内容に触れています。未鑑賞の方はご注意ください。



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